CoffeeAndBooks's 読書日記

日々の読書を記録しています

読書

騙されてたまるか 調査報道の裏側

足利事件、桶川ストーカー事件で真実に向かい合ってきたジャーナリストが、調査報道について語る。他の著書のサマリーのような一冊でもあるけれど、だからこそ調査報道とは、という部分にフォーカスできているように思う。どの案件でも、リスクを取りながら…

経済学者 日本の最貧困地域に挑む

レクチャーをきっかけに大阪維新の会に呼ばれ、橋本市長の元で改革を推進することになった社会保障関係の学者が特別顧問として行政の世界に入り込み、誰もが知る『あいりん地区』 の改革を実地で行った記録。貧困問題にそれほど強い関心がなくても、大阪市と…

逢えない夜を、数えてみても

ピアノの調律師と自動車の整備士のカップル。とても良い関係でありつつ、主人公は中年男性にも心惹かれ、という良くありそうな始まりだけど、後半の展開は予想を裏切られ、面白く読み進めた。最期の結論も少し驚いた。男女どちらの立場に立ってみても、その…

文庫X 殺人犯はそこにいる

盛岡の書店からはじまった謎の本「文庫X」のブーム。都内の書店でも、手書きのカバーを付けたバージョンが平積みに。といっても、こちらでは手書きカバーの上に書名と著者名が書かれてはいるのだけど。 この本は、栃木と群馬の県境で連続して起きた女児殺害…

小さな恋のものがたり

いつの間にか完結していた小さな恋のものがたり。連載開始は1962年。作者が体調不良を経て、絵もうまく描けなかったと言いつつ完結させた最終巻。単純な絵に見えて難しい絵は、たしかに過去のものとは違うけれど、そんな粗が気にならない素敵な仕上がりだっ…

生産性

マッキンゼー式〇〇の玉石混淆ぶりはなかなかのものだけど、伊賀泰代氏の著作は2冊ともとても参考になった。日本の組織には「生産性」と「リーダーシップ」が欠けているということで、完全に同意ではないけれどうなづけるところも多い。 工場ではストップウ…

天才ファミリー・カンパニー

母子家庭の天才高校生が、母の再婚によって謎の多い能天気だけどサバイバル能力のやたら高い親子と出会い、いろいろとリズムを狂わせられながら成長して、すごいことを成し遂げてしまう物語。すっかり忘れていたけど、同じ作者による別の漫画を読んでいて思…

トヨトミの野望

どこかの戦国ゲームのようなタイトルだけど、経済小説。名古屋にある巨大自動車メーカーをモデルにした小説というか、仮名にしただけのノンフィクションというか。技術VS経営、創業者VSプロ、ビジョンVSビジネス、と両立も当然できることながら対立しがちな…

死者の書

完全な漫画化ではなく、ガイドブックのようなものを目指して描いたと作者は語るけれど、その試みは成功だと思う。世界観に圧倒され、原作を読みたいと思った。 女帝孝謙天皇時代の名家の女性である藤原南家の郎女が写経をするうちに不思議な力に誘われ大津皇…

君たちはどう生きるか

主人公コペル君は少し幼い(実際は中学生の設定なのに最初に読んだときはカツオ君とマスオさんくらいの関係を想像しながら読んでいた)けれど、頭が良くて心根も優しい少年。そんな彼が父親代わりとまではいかないものの、何かと面倒を見てくれているおじさ…

ダーリンは70歳/高須帝国の逆襲

漫画家 西原理恵子氏と交際宣言の高須克哉氏によるエッセイ。なんと、一度は書店に並んだのに絶版になっていたらしい。言葉狩りか。そして、Amazon Kindleにて青空文庫のような表紙で公表されている。 ダーリンは70歳/高須帝国の逆襲 作者: 西原理恵子,高…

通訳ガイドというおしごと

試験対策本は多いけれど、どうやって仕事にするか、という本は少ないような気がする通訳ガイド。序盤にも紹介される通り、やはり通訳ガイドで食べていけている人は多くはない様子で、専業でやっていくにはかなりの営業努力が求められそうだ。 この書籍では、…

ジャコモ・フォスカリ

テルマエ・ロマエが大ヒットしたヤマザキマリ氏による、退廃的な雰囲気の漫画。テルマエ・ロマエはエネルギーに溢れる男性が主人公だったけど、こちらは物静かで翳のある中年男性。戦後すぐの日本を舞台に、ファシズムに祖国でなじむことのできなかったイタ…

銀のアンカー

新卒就活についての漫画。天職とはいうけれど、社会人経験のない学生にとって、自分に向いた職業を探すことは難しい。特に、B to Bの世界は見えにくい。本書は、アメリカのカリスマヘッドハンターだった男性が日本に帰国するところから始まる。そして、本業…

深夜食堂

読むたびに、日本人で良かったと思うのは、この漫画。正直、こんなに長く続くとは思わなかったスタイルながら、飽きさせず淡々とした面白さを維持している。舞台は基本的に「深夜食堂」という名の(正式には名前はなくてみんながそう呼んでいるだけのようだ…

落語心中

ついに完結。 最初はお調子者の不良青年が更生していく話かと思っていたら、そうではなくて名落語家である八雲師匠の友情、愛情と後悔が主題の何とも切ない物語だった。才能に溢れる一方で何ともダメな助六と努力も積み重ねている菊比古(のちの八雲)、最初…

国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動

海上自衛隊の特殊部隊を創設した方による、創設の経緯と創設後の訓練に関する思想、退官後のフィリピンでの生活。書きぶりは落ち着いているものの、ものすごい迫力というかプレッシャーを感じる一冊だった。 読む前は思想的に偏った内容を心配していたけれど…

アッラーの花嫁たち ―なぜ「彼女」たちは“生きた爆弾”になったのか?

diamond.jp 子ども自爆犯の増加というタイトルの記事だけど、これは自爆なんだろうか。確かに、騙されたに近いながらも自分から進んで復讐のために行うこともあるかもしれない。でも、別のニュースでは押さえつけられた少年が爆弾を巻き付けられていた。そし…

人生2割がちょうどいい

電通のクリエイティブディレクターから独立してエージェンシーを立ち上げた岡康道さんとコラムニストの小田嶋隆さんが日経ビジネスオンラインで連載していた対談をまとめた一冊。 抽象的な会話をする人間の方が尊敬されるけれど、自分はどんどん具体的な会話…

バトルスタディーズ

夏と言えば甲子園。ということで、PL学園野球部出身の漫画家による高校野球漫画に手を伸ばす。PL学園をモデルにしたDL学園という高校の野球部を舞台に、主役は1年生。 厳しい上下関係、下積み生活が今のところは続いているけれど、あまりネガティブには見え…

コンプレックス・エイジ

趣味にも賞味期限があるのか、ということを自分から考える機会はそれほどないけれど、時には「そろそろお金のかかる趣味は卒業を」とか、「いい歳なんだからそんな趣味は」と言われることはある。『コンプレックス・エイジ』はコスプレが趣味の26歳の女性の…

…すぎなレボリューション

お局OLが30歳を目前に、会社の飲み会で泥酔し同僚の誰かと関係を持ってしまうが、相手の記憶なしという始まりのストーリー4コマ。同じ出来事を複数の登場人物それぞれの目線から描いてみたり、構成も面白かった。 あることをきっかけに大変身、は少女漫画に…

ゴールは偶然の産物ではない

絶版になったと思っていたら廉価版が発売されていたので紹介。 コンサルタント出身の著者が、サッカークラブFCバルセロナの副会長として取り組んだ改革と背景にある考えを説明する一冊。題材はサッカーだけど、内容は普遍的だと思う。「うちは特殊(な業界・…

おとりよせ王子

大人しいSEの青年がノー残業デーの水曜日は脱兎のごとくオフィスを後にし、宅配に間に合うよう帰宅して、お取り寄せの食事を満喫するのが基本の展開で、一話完結のスタイル。時々、飲み会や屋外のBBQのようなイベントも。少しずつ人間関係に変化も見えるけれ…

顔のない裸体たち

先日に引き続き、平野啓一郎。とはいえ、仕事もあるので作者比で少し短めの作品から。「顔のない裸体」はモザイク処理された(いかがわしい)画像の登場人物。 地味な教師のミッキーと冴えない公務員のミッチーがネットで知り合い、野外での露出行為に及び、…

マチネの終わりに

「人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです。」 この文章に出会えたことは幸せなことだと思う。良い意味でも悪い意味でも、後から起こることが過去に影響を与えて過去に対する人の感情を変えていく。…

明治姉妹と大正遊女

どちらも不運に見舞われる女性が主人公の2作。 明治姉妹は貴族の家庭に育った姉妹が主人公。実はいずれも実子ではなく、姉は女郎の子、妹は何らかの事情で捨てられた子。父親の事業が傾き、父親の自殺後、姉は働き始め、妹は美貌を活かし愛人稼業に就く。大…

マネーの拳

三田紀房氏の漫画はどれも面白く、ドラゴン桜やエンゼルバンクほどには有名でないかもしれないけれど、こちらもビジネスの世界を面白く描いている。 マネーの拳は、主人公が元ボクサー。最初は分かりやすい話で飲食店を始めるけれど、飲食店というのは中々難…

47原則

マッキンゼー出身者による仕事法の本は大量にあり、それだけでも書店にコーナーが作れるくらいだと思われる。大前研一氏、トム・ピーターズ氏をはじめ、多くの卒業生が学んだことを布教してくれている。中には、冠だけの本もたくさんあるけれど、この47原則…

USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門

個人的にマーケティングはすべてのビジネスパーソンに必須の知識だと思う。営業や販売の担当として商品を売るのか、IRや人事の担当として自社を売るのか、といった立場の違いはあっても戦略・戦術を考える知識は重要。 この書籍はユニバーサルスタジオジャパ…