CoffeeAndBooks's 読書日記

日々の読書を記録しています

「ココロ」の経済学:行動経済学から読み解く人間の不思議

人間は必ずしも合理的ではない。効用というのも不思議なもので、効用が本人にとって高いから価格が高くても買うことがあるといっても、効用は測れない。たとえば、リンゴとミカンのどちらを買うか、予算的にどちらかしか買えない場合を除いては、価格でなく…

アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男/The People vs. Fritz Bauer

eichmann-vs-bauer.com 本作は、第二次世界大戦後の戦争犯罪者に関する捜査を主導する検事長フリッツ・バウアーがスポットライトを浴びる。正義のため、信念のため、捜査を止めようとする組織に屈することなく身柄を確保し、裁判を行うために動き続ける。単…

日本電産永守重信社長からのファックス42枚

当たり前のことをやる、この大切さ。よくPEファンドの人たちと話すと出てくるのが、技術力はあるのに、営業面で当たり前のことができない会社が多いということ。依頼に対して、信頼や実績がないうちは速さで勝負するのもひとつ。市場価格を前提に価格を下げ…

ルポ 児童相談所:一時保護所から考える子ども支援

私個人も児童養護施設に暮らす子どもへの支援ボランティアに参加しているので、とても関心の高い領域ではあるけれど、児童相談所については考えたことがなかったので衝撃を受けた。児童養護施設で暮らす子どもは、将来施設の職員になりたいと言う子が多くい…

マンガでわかる リアル中国人

近くて遠い国、中国。個人的には、中国人は日本人に見た目も似ているし、漢字を使って箸を使うなど共通点も多いのに、やっぱり考え方が違う、ということで、西洋人と分かり合えないときよりも残念な気持ちが強くなって、妙な距離を感じてしまうように思う。…

AI時代の人生戦略 「STEAM」が最強の武器である

あらゆるビジネスにサイエンスやテクノロジーが絡んでくる時代、サイエンスやテクノロジーを誰もが避けられなくなる。そして、ビジネスの世界にもう一つ進出しているものがデザイン戦略に代表されるArt。テクノロジーとArtは密接につながっている。というこ…

具体と抽象

部下がもう少し考えてくれたら、というのは多くの管理職の共通の悩みだと思う。一を聞いて十を知ってほしいというのが高望みだとしても、せめて同じような説明を何度も繰り返したくないと思ってしまう。バックグラウンド(学歴、職歴、経験)によらず、最初…

僕らが毎日やっている最強の読み方;新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける70の極意

インテリジェンスのプロである佐藤優氏と解説の天才である池上彰氏の対話形式で進んでいく、チェックするべき媒体と情報の読み方。最後に70の極意と紹介された新聞・雑誌・ネット・書籍に関する情報が一覧されている点は実践に移しやすくて実用的。 今回は地…

騙されてたまるか 調査報道の裏側

足利事件、桶川ストーカー事件で真実に向かい合ってきたジャーナリストが、調査報道について語る。他の著書のサマリーのような一冊でもあるけれど、だからこそ調査報道とは、という部分にフォーカスできているように思う。どの案件でも、リスクを取りながら…

経済学者 日本の最貧困地域に挑む

レクチャーをきっかけに大阪維新の会に呼ばれ、橋本市長の元で改革を推進することになった社会保障関係の学者が特別顧問として行政の世界に入り込み、誰もが知る『あいりん地区』 の改革を実地で行った記録。貧困問題にそれほど強い関心がなくても、大阪市と…

逢えない夜を、数えてみても

ピアノの調律師と自動車の整備士のカップル。とても良い関係でありつつ、主人公は中年男性にも心惹かれ、という良くありそうな始まりだけど、後半の展開は予想を裏切られ、面白く読み進めた。最期の結論も少し驚いた。男女どちらの立場に立ってみても、その…

文庫X 殺人犯はそこにいる

盛岡の書店からはじまった謎の本「文庫X」のブーム。都内の書店でも、手書きのカバーを付けたバージョンが平積みに。といっても、こちらでは手書きカバーの上に書名と著者名が書かれてはいるのだけど。 この本は、栃木と群馬の県境で連続して起きた女児殺害…

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場/Eye in the sky

eyesky.jp 軍事作戦の巻き添えで多くの命が奪われている。テロリストなら殺していいという話ではないけれど、まったく関係のない無辜の市民が亡くなるのは本当に悲しい。それでも、平和を守ろうと思ったら攻撃するほかない場合があるのも事実。 この映画は、…

小さな恋のものがたり

いつの間にか完結していた小さな恋のものがたり。連載開始は1962年。作者が体調不良を経て、絵もうまく描けなかったと言いつつ完結させた最終巻。単純な絵に見えて難しい絵は、たしかに過去のものとは違うけれど、そんな粗が気にならない素敵な仕上がりだっ…

エリザベート

www.tohostage.com 帝国劇場のエリザベートがあまりにも素晴らしくて、余波で購入したDVDが到着。 花總まりの可憐さは、愛された皇妃のイメージにぴったり。そして、城田優のトートも華やかでよかった。ということでWhite版を購入したけれど、いずれでも花總…

生産性

マッキンゼー式〇〇の玉石混淆ぶりはなかなかのものだけど、伊賀泰代氏の著作は2冊ともとても参考になった。日本の組織には「生産性」と「リーダーシップ」が欠けているということで、完全に同意ではないけれどうなづけるところも多い。 工場ではストップウ…

天才ファミリー・カンパニー

母子家庭の天才高校生が、母の再婚によって謎の多い能天気だけどサバイバル能力のやたら高い親子と出会い、いろいろとリズムを狂わせられながら成長して、すごいことを成し遂げてしまう物語。すっかり忘れていたけど、同じ作者による別の漫画を読んでいて思…

貴婦人の訪問

www.youtube.com 「むかし妖精、いま妖怪」と自称している涼風真世。50歳過ぎてこの美貌は確かに妖怪としか言いようがない。そして、普段のかわいらしい佇まいとは全く異なる迫力、凄み。クレア役は涼風真世以外ありえないと思わせる。歌も素敵。 なお、この…

トヨトミの野望

どこかの戦国ゲームのようなタイトルだけど、経済小説。名古屋にある巨大自動車メーカーをモデルにした小説というか、仮名にしただけのノンフィクションというか。技術VS経営、創業者VSプロ、ビジョンVSビジネス、と両立も当然できることながら対立しがちな…

死者の書

完全な漫画化ではなく、ガイドブックのようなものを目指して描いたと作者は語るけれど、その試みは成功だと思う。世界観に圧倒され、原作を読みたいと思った。 女帝孝謙天皇時代の名家の女性である藤原南家の郎女が写経をするうちに不思議な力に誘われ大津皇…

君たちはどう生きるか

主人公コペル君は少し幼い(実際は中学生の設定なのに最初に読んだときはカツオ君とマスオさんくらいの関係を想像しながら読んでいた)けれど、頭が良くて心根も優しい少年。そんな彼が父親代わりとまではいかないものの、何かと面倒を見てくれているおじさ…

ダーリンは70歳/高須帝国の逆襲

漫画家 西原理恵子氏と交際宣言の高須克哉氏によるエッセイ。なんと、一度は書店に並んだのに絶版になっていたらしい。言葉狩りか。そして、Amazon Kindleにて青空文庫のような表紙で公表されている。 ダーリンは70歳/高須帝国の逆襲 作者: 西原理恵子,高…

通訳ガイドというおしごと

試験対策本は多いけれど、どうやって仕事にするか、という本は少ないような気がする通訳ガイド。序盤にも紹介される通り、やはり通訳ガイドで食べていけている人は多くはない様子で、専業でやっていくにはかなりの営業努力が求められそうだ。 この書籍では、…

手紙は憶えている/REMEMBER

認知症の進む老人が手紙に書かれた情報を元に、アウシュビッツのブロック長に復讐を試みる数日間の物語。たいていの映画は予想を裏切る終わり方をするものだけど、これも同様。それにしてもすごい。人は人をここまで騙せるのかと驚く。 主人公ゼブは妻の死後…

ジャコモ・フォスカリ

テルマエ・ロマエが大ヒットしたヤマザキマリ氏による、退廃的な雰囲気の漫画。テルマエ・ロマエはエネルギーに溢れる男性が主人公だったけど、こちらは物静かで翳のある中年男性。戦後すぐの日本を舞台に、ファシズムに祖国でなじむことのできなかったイタ…

銀のアンカー

新卒就活についての漫画。天職とはいうけれど、社会人経験のない学生にとって、自分に向いた職業を探すことは難しい。特に、B to Bの世界は見えにくい。本書は、アメリカのカリスマヘッドハンターだった男性が日本に帰国するところから始まる。そして、本業…

ベストセラー 編集者パーキンスに捧ぐ/Genius

best-seller.jp 映画を好きな人間が集まると、邦題や字幕への不満は多い。この邦題は素敵だけど、ちょっと違和感がある。トーマス・ウルフという天才作家と、天才の書いた小説を世に出すために共同作業を行った編集者の微妙な関係を表すタイトルは、せめて、…

深夜食堂

読むたびに、日本人で良かったと思うのは、この漫画。正直、こんなに長く続くとは思わなかったスタイルながら、飽きさせず淡々とした面白さを維持している。舞台は基本的に「深夜食堂」という名の(正式には名前はなくてみんながそう呼んでいるだけのようだ…

落語心中

ついに完結。 最初はお調子者の不良青年が更生していく話かと思っていたら、そうではなくて名落語家である八雲師匠の友情、愛情と後悔が主題の何とも切ない物語だった。才能に溢れる一方で何ともダメな助六と努力も積み重ねている菊比古(のちの八雲)、最初…

GATTACA/ガタカ

古い映画になってしまったけれど、未だに時々観てしまう。 遺伝子操作によって、親の(社会の)意向に沿った子供が生まれるようになった未来の話。この世界では、自然に妊娠して生まれた人間は「不適正者」として扱われる。何の操作も加えられていない人間は…