読書の技法
月平均300冊の読書量の佐藤優氏が推奨するテーマごとの読書方法は、
基本書を3冊(または5冊など奇数冊)*用意して、1冊は3度読み返し、一読で重要部分にマークしつつ読み、最後に特に重要な箇所をノートに書き写しながら読んでいくということで、一冊読むのに1週間から3週間をかける。
これを読んで、あまりにも読書が雑になってきているなと反省したので、読書記録によって改善することに。
確かに、毎日のように新しい書籍が発売されて、面白そうな内容や何となく役に立ちそうな内容が紹介されると読みたくはなるし、それはそれで悪いことではないと思うものの、時には精読によって考える時間を持つこともとても大切かなと。
本書を読んでいて思い出した、阿部謹也「世間を読み、人間を読む」にて紹介されていた、エクステンシブな読書に対する皮肉が、
「ドイツの教養人として、読まなければならない古典(ゲーテ、シラー、レッシング)の頁数と消費時間を計算していくと、十二歳から四十歳までの間に、一般の人の読書に使える時間は約九千日ある。しかし、どうしても読まなければならない必須文献だけで、九千百九十五日が必要で、百九十五日も足りない」
この計算をしようとすると、一時間で3頁(40行/頁)の読書であり、相当の熟読をしている。やはり、月に何十冊という読書は、かなり雑に一冊一冊を消費していることになる。
ちなみに、同書では、神曲の些細なところでクイズを出す番組に登場する人物は神曲を七十六回読んでいる、という話も紹介されている。
すべての本が何十回も読むものではないけれど、いいバランスをとって読書を楽しみたいところ。
*ちなみに、「読書の技法」にて紹介されている「基本書は奇数冊」というのは、専門家による多数決を可能にすることにより、異なる定義や見解を提示されたときに素人判断をしないコツということで、ちょっと面白い。何となく3冊読めば大まかな勉強ができると思って新しいことをはじめるときは3冊ほど読む習慣を持っていたけれど、追加で買うときは4冊ではなく5冊にするべきだったんだなと。
読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門
- 作者: 佐藤優
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2012/07/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 9人 クリック: 326回
- この商品を含むブログ (43件) を見る