CoffeeAndBooks's 読書日記

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私はコーヒーで世界を変えることにした

「XXのためなら何でもする!」という言葉を日常を耳にする機会は多いけれど、本当にここまで出来る人は滅多にいないはず!と思わせてくれます。

「コーヒーのために出来ることはすべてやる」と決めた著者による、エルサルバドルでのコーヒー研究、南米から始まりハワイやアフリカ、インドネシアなど、各地での農園経営や幻のコーヒーを探す旅、といったコーヒーを求める人生を語る自伝的な一冊。とはいえ、著者は人生をまとめる段階ではないため、最後まで勢いが楽しめました。

著者はおいしいコーヒーを生産し、商社や販社に売るだけではなく、実際の飲み手(消費者)に届けるカフェや小売、航空会社へのおいしいコーヒーを提供するための協力など、世界を変えるための色々な取り組みをされていて、後半はこれらの取り組みが語られています。
たとえば、メディアでも取り上げられる機会の多いグラン クリュ・カフェ。初めて目にした際には、スペシャルティコーヒーブームに沿って登場したものかと誤解していたのですが、そうではなくて、著者のような人たちが真剣にコーヒーに取り組んだ結果としてブームは起きていて、グラン クリュ・カフェはブームよりもずっと前から向き合った著者から消費者に向けて打ち出されたのだ、と感動しました。

それにしても、著者がUCC上島珈琲で長期にわたり働いていたことに驚きます。
バリスタという漫画でUCC的な企業が登場し、そこでも働く社員が極めてプロフェッショナルに誇りを持って珈琲を追求している姿が描かれていました。それが絵空事に見えなくなります。

 

私はコーヒーで世界を変えることにした。

私はコーヒーで世界を変えることにした。