人間仮免中
精神疾患のつらさというのは想像することも難しいけれど、読んでいるだけで苦しくなる世界が描かれている。見てはいけないものを覗いてしまったような世界が何とも言えない絵柄で表現されている。
本当に苦しいのだろうと感じさせられる。
そして、支え続ける周囲の人は本当に辛いだろうとも。
ただ、歩道橋からの墜落、妄想に苦しむ入院生活を経た後で、希望を見出した姿は、それまでの出来事や思考を見ていたからこそ、ものすごく輝いて見える。
安易に読むことは薦められないけれど、読み始めてしまったら最後まで読んでほしいと思う。読み終えて帯を見ると、泣ける。