CoffeeAndBooks's 読書日記

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イシュタルの娘

 画業50周年の大和和紀による歴史漫画。未だに現役で連載ってすごいと思うし、これだけ面白い漫画を描き続けられるというのはものすごいことだと思う。

 主人公が「常人の目には見えないものが見える「天眼」の持ち主」という設定から、ファンタジーなのかと思いきや、ファンタジー要素はあまりなく地に足の着いた物語展開がなされる。小野於通は実在の人物らしく、分かっている限りの女筆手本の最古を遺した人物とのこと(「女筆の時代と女性たち」往来物関連情報)。

 時代は安土桃山時代から始まり、13巻の時点では大坂冬の陣が終わり堀を埋め立てたところ。利休が政治に巻き込まれた挙句に切腹させられた時代だけに、「自由に生きる」と決めた文人を描いても政治は切り離されず、駆け引きなども面白い。そして、「N.Y.小町」や「はいからさんが通る」でも職業を持つ女性を描き続けた作者だけに、自立した女性の描き方も素敵だ。

 

  難点をひとつだけ挙げると、きれいな絵だけれども、人物の書き分けが若干分かりにくいところがあるのは少女漫画を読みつけない読者には少し読みにくいかもしれない。

 

 「あさきゆめみし」も懐かしいなと思っていたら新装版が。

新装版 あさきゆめみし絵巻 上巻

新装版 あさきゆめみし絵巻 上巻

 
新装版 あさきゆめみし絵巻 下巻

新装版 あさきゆめみし絵巻 下巻

 
紅匂ふ(1) (BE・LOVEコミックス)

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