USJを劇的に変えた、たった1つの考え方成功を引き寄せるマーケティング入門

　個人的にマーケティングはすべてのビジネスパーソンに必須の知識だと思う。営業や販売の担当として商品を売るのか、IRや人事の担当として自社を売るのか、といった立場の違いはあっても戦略・戦術を考える知識は重要。

　この書籍はユニバーサルスタジオジャパンのV字回復を支えたマーケターが、実際のUSJにて採用した戦略・戦術を交えつつマーケティングの基本的な考え方を説明している。文章も分かりやすいし、フレームワークも簡単なものしか紹介されていないので入門としては最良。もし、A) Good Strategy/Good Execution, B) Good Strategy/Bad Execution, C) Bad Strategy/Bad Execution, or D) Bad Strategy/Good Executionのいずれにおいて結果が良いかを答えられない人は絶対に読むべき一冊。ちなみに、ABDCでもADBCでもない。

　年功序列の日本企業では高給になりがちな proven track recordを持つマーケターの採用が難しいという愚痴も最初の方にあるけれど、これはローカル化の進んだ外資も同様。営業は数字が見えやすいので、本当にすごい営業なら特例的な給与を出したり代理店契約にしてしまうという手もあるけれど、マーケティングの効果が目に見えやすい企業ばかりではないため難しいことがある。是非とも本書は人事部にも読ませたいところ。