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CoffeeAndBooks's 読書日記

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ベストセラー 編集者パーキンスに捧ぐ/Genius

映画

best-seller.jp

 映画を好きな人間が集まると、邦題や字幕への不満は多い。この邦題は素敵だけど、ちょっと違和感がある。トーマス・ウルフという天才作家と、天才の書いた小説を世に出すために共同作業を行った編集者の微妙な関係を表すタイトルは、せめて、副題の『編集者パーキンズに捧ぐ』の方が良いように思った。

 それはさておき、この映画は登場人物が豪華。コリン・ファースが演じるマックス・パーキンズ、ジュード・ロウが演じるトーマス・ウルフ、ニコール・キッドマンが演じるバーンスタイン夫人。ジュード・ロウの切羽詰まった感じの演技が何とも素敵だった。そして、書くべきことがあふれてくる天才作家の才能にほれ込みつつも、手を加えなければ世に出せず、黒子に徹しきれないことに苦悩するカリスマ編集者を演じるコリン・ファースも。

 元々のマックス・パーキンズに関する評伝『名編集者パーキンズ』は、トーマス・ウルフとの関係だけでなく、ヘミングウェイフィッツジェラルドを含む当時の文壇に関するエピソードがふんだんなようだけど、映画ではトーマス・ウルフとの出会い(持ち込み)から別れまでを切り取っている。最近は破滅的な作家ってあまり見聞きしないので、編集者ももう少しビジネスパーソン化しているかもしれないけれど、昔から作家と編集者の相互依存関係に関するエピソードは多い。さすがに、トーマス・ウルフのように何万語も削る作業をしてしまうと、ほとんど共作者のようだけど。なので、編集者マックスも苦悩する。 世に出た本は編集後のものなので、誰もその編集作業を評価することはできず、評価を世にゆだねる、後世にゆだねるということもできないし。

 トーマス・ウルフが若くして世を去り、友情の再開は見ることができないけれど、その後のマックス・パーキンズにトーマス・ウルフが与えた影響にとても興味を持った。トーマス・ウルフの著作をあれだけ刈り込んだ編集者を描く評伝もかなりの大作だけど、読んでみたいと思った。

 

 

文庫 名編集者パーキンズ 上 (草思社文庫)

文庫 名編集者パーキンズ 上 (草思社文庫)

 
文庫 名編集者パーキンズ 下 (草思社文庫)

文庫 名編集者パーキンズ 下 (草思社文庫)

 

 

Max Perkins: Editor of Genius

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Look Homeward, Angel (Penguin Modern Classics)

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