恋人たちの冒険
子供のころに読んで印象に残っていた『鳥にさらわれた娘』と『あるジャム屋の話』。何となくもう一度読みたくなってキーワード検索したらあっさりと見つかり、読むことができて嬉しかった。一緒に収録されているほかの物語もとても素敵だった。
この『恋人たちの冒険』に収録されている物語は、男女ともに、いずれかが人間。その主人公が動物(シギだったり、鹿だったり)と恋をする物語。
読み返してみると、『あるジャム屋の話』は昔読んだときと同じような読後感だったけど、大人になって読むと『鳥にさらわれた娘』は少し違っていて、それも面白かった。『鳥にさらわれた娘』の主人公はちょっと勝手な感じがするけれど、若い頃に恋愛にコミットすることに怖気付く感覚が今だと少しわかるような気もして、シギはかわいそうだけど最終的には良かったのかなと。『あるジャム屋の話』の方は、鹿の女の子と築く空気が心に残る。疲れているときに読むと余計にそうかも。