CoffeeAndBooks's 読書日記

日々の読書を記録しています

ブラック・クランズマン/BlacKkKlansman

 コロラド州でマイノリティ歓迎の看板を見て警察官になった主人公は、初めての黒人警察官として同僚からの差別を受けながらの書類庫係から、潜入捜査官に。そして、潜入捜査官として着手したのが、悪名高い白人至上主義者集団KKKへの潜入。さすがに人種差別主義者の中に黒人が潜入はできないので、主人公は電話を担当、ユダヤ人(こちらも差別の対象)の同僚とチームで捜査にあたる。

 予告編だけを見ていると痛快コメディを期待してしまうけれど、そうはいかない。もちろん、笑いの要素もあるし、痛快な場面もあるけれど、全体を通して笑える映画、ではない。

 自業自得かもしれないけれど命を落とす人も出てくるし、差別がなくなって大団円なんて終わり方でもない。そのあとに見せられる最近でも人種対立が続いている事実やそれに伴い亡くなる人たちがいる事実も、重い。

 ただ、人種を超えて協力できるチームが警察の中には形成されるし、差別主義者で職権乱用をしていた警察官を処罰する「正しいことができる」組織も描かれる点は、希望が持てる。事実に基づく映画ということだけど、この部分も実話ならいいなと思う。この映画は重く深刻で、グリーンブックのようにさわやかな印象ではないかもしれないけれど、憎しみだけを残して終わるものではないことが素晴らしい。この映画は多くの人にお勧めしたい。

ブラック・クランズマン

ブラック・クランズマン

  • 作者: ロンストールワース,丸屋九兵衛,鈴木沓子,玉川千絵子
  • 出版社/メーカー: パルコ
  • 発売日: 2019/02/28
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る