CoffeeAndBooks's 読書日記

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女の不作法

 人気脚本家による、ちょっといけ好かない人物の評論集とでもいうのか、著者本人の失敗経験も含めて様々なケースが紹介される。読む前は、悪口が大量に展開されているエッセイなのかなと思っていたけれど、あまり感情的でない書き方なので悪口という感じはあまりしない。著者に共感するところもあれば、自分を省みて「こんな風に受け取られる行為は慎もう」と思うところもあり、なかなか面白い。

 そして、著者の視点が非常にバランスが良いことに感嘆する。さすが、老若男女に向けて発信する人は違うなと。自然・野生とアンチエイジングに関する考察はとても印象的だった。自然と野生は異なる、自然が良いといって無精な人は素敵じゃない。かといって、アンチエイジングに血眼な人も「痛い」と評される。その「痛い」という言葉に関するくだりが素晴らしいので、是非とも多くの方におすすめしたい。著者がどちらかというと、若作りをすれば「痛い」と評される側の世代だし、「自分は違う」という変な特権意識もないので、「痛い」という言葉の切なさを感じるのかなと思う。

 男性について論じる「男の不作法」も興味深い。

 

女の不作法 (幻冬舎新書)

女の不作法 (幻冬舎新書)

 
男の不作法 (幻冬舎新書)

男の不作法 (幻冬舎新書)