Once Upon A Time In Hollywood
"once upon a time"といえば、おとぎ話の始まりの言葉。こちらの映画も史実を下敷きにしつつ、主人公は架空だし、ある重大な事件についての取り扱いも。50年前が舞台で、ぎりぎり当事者の一部が存命。
落ち目になりつつある西部劇のスター俳優とそのスタントマンが主人公。スターの隣人はポランスキー監督とシャロン・テート。しかし、この事件を知らずに見ると、少し衝撃が少ないかもしれない。予習したほうが面白いはず。
もちろん事件について知らなくても、ジョディ・フォスターがモデルなのか少女の俳優と出会った撮影現場における主人公の自分に対するいら立ちとか、それを消化して会心の仕事ができる瞬間とか、そういった瞬間の感動は味わえる。少し生活が苦しそうなスタントマンが長い付き合いの俳優を精神的に支えたり身の回りの世話をしたり、その友情にも心が動く。タランティーノらしい暴力シーンもやっぱりすごい迫力で、これはやっぱり映画館で観たいと思わせる。
ただ、マンソン・ファミリーの一員だった女性がこの映画を観て、シャロン・テートが自分の出演した映画に喜ぶ無邪気な姿(もちろん今存命の女優による演技)に、自分たちのしたことの取り返しのつかなさに涙した、というエピソードにつながる前提知識はあって損はしない。これがあるから、おとぎ話としての力が発揮される。
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