CoffeeAndBooks's 読書日記

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ハスラーズ/HUSTLERS

ハスラーズ(字幕版)

ハスラーズ(字幕版)

  • 発売日: 2020/05/27
  • メディア: Prime Video
 

  悪い人間が被害にあう犯罪映画は、犯罪者がヒーローになる。本作はジェニファー・ロペスが演じるトップダンサーであるラモーナが、金融危機で景気の悪くなったウォール街の残党を相手に、ぼったくりでお金をだまし取るチームを作り、荒稼ぎをする映画。悪いことをしなければ大金を手に入れないウォール街で、お金をつかんだ人々は他人(特にお金のない人)をだました罪を償うこともなくのうのうと生き続けている。それに対する怒りをぶつけるラモーナには、多くの人が共感してしまうだろう。特に、主人公が昼間の仕事に就こうとするも「未経験」を理由に不採用続きだったり、ラモーナがダンサー稼業が厳しくなった当初にOLD NAVYでも働いて、子育てとの両立を含め厳しい現実に苦しむ姿も見せていたり。人生はとてもつらい。ほかのメンバーもそれぞれに事情があって、だからこそ、苦労知らずの小悪党を罠にはめて破滅させる姿は痛快だ。中には、同情を誘う被害者も混じっていて、それがちょっとしたチーム内のささくれになってしまうこともあるけれど。

 ストーリーも良いけれど、この映画は、映像も美しく、音楽がまた最高。何よりもジェニファー・ロペスがかっこよすぎて、肩入れせずにはいられない。チームを率いるリーダーぶりが素晴らしく、何と言っても未だに男性優位なウォール街に対抗する女性のチームの結束、友情が心を打つ。ジャーナリストにバッグの中身を見せる場面、この愛情。こんなチームが作れたら、最高だ。

 女同士を分断させて喜ぶ文化もあるけれど、最近はシスターフッドを描く映画や小説も多く、観たり読んだりして前向きな気持ちになれるものが多い。

サブプライム問題とは何か アメリカ帝国の終焉 (宝島社新書 254)

サブプライム問題とは何か アメリカ帝国の終焉 (宝島社新書 254)

  • 作者:春山 昇華
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2007/11/09
  • メディア: 新書