CoffeeAndBooks's 読書日記

日々の読書を記録しています

漫画

ミステリと言う勿れ

カレーが大好きで、理屈っぽく少し変わった大学生が主人公。枕の草紙を引用しつつ、カレー日和だとカレーを作り始めるところから第1話開始。最初のうちは1話完結、前後編完結、で閉鎖空間での謎解きとちょっとしたお説教をするだけだったのが、広島に行く頃…

新・トルコで私も考えた2020

おしゃれな雰囲気と少し大人っぽい内容が大好きだった高橋由佳利氏の一人旅から始まる、トルコと日本を行き来する人生が綴られるエッセイ。 掲載開始から四半世紀。最初は旅行者、短期滞在者の視点で描かれていたトルコが、生活者の視点になり、離れて暮らす…

きのう何食べた?

雑誌で読むと「そこそこ面白いけど印象には残らない」と思っていた。ところが、1巻からまとめて読んでみると、何度読み返しても違う味わいがあって、すっかりはまってしまった。 基本的には1話完結で、主人公のゲイカップルのちょっとした日常の出来事と食…

大奥

奇病が元で男性の数が激減した江戸時代の日本を舞台とする、時代物のSF。Kindle Unlimitedで1巻~3巻が無料で読めるので、ついついダウンロードしたら続きが気になって一気に全巻購入・読破してしまった。 男性が激減したことで、江戸幕府は女性が将軍にな…

天智と天武

壬申の乱を題材にした小説や漫画は多いけれど、蘇我入鹿が意外な人物に結びついていく『天智と天武』は初めて触れる歴史解釈かもしれない。史実といっても限定的な情報、それも実際の出来事が起きた直後の権力者によって残される情報に過ぎないので、いろい…

とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話

お正月休み、Kindle Unmilitedで読めたので興味本位でダウンロードしたところ、驚きの世界にページをめくるのが止まらず、そのまま読み終えてしまった。著者はウェブを経由して仕事が始まった新人漫画家ということで、おそらく若くて、社会経験もそれほど豊…

海街diary 9 行ってくる

海街diaryシリーズ、ついに完結。なんと12年にわたって連載されていたとは、私も歳をとるわけだ。もはや四姉妹の誰にも自分を重ねられないけれど、それでも誰もが感じる生きていくことの辛さだったり、ちょっとした瞬間に癒されたり、という瞬間に涙してし…

プライド

プライド 1 (クイーンズコミックスDIGITAL) 作者: 一条ゆかり 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2012/07/06 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る すっかりご隠居の一条ゆかり。ちょっと懐かしくなって読み始めたら手が止まらない。昔から大好きだ…

ベルサイユのばら エピソード編

発売から3年も経ってから知った続編の存在。ベルサイユのばら、登場人物の過去と革命後のエピソード。 個人的には、フェルゼンの晩年を描く前に、プチトリアノンの外でのフェルゼンについても描いてほしかったかもしれない。ベルばら本編の最後、マリーアン…

監査役 野崎修平

監査役というあまり馴染みのない役職。立場が高いことはわかるけれど、何をしているのかよくわからない。何となくおじいちゃんたちがお茶を飲んでいるイメージ。実際、この漫画でも主人公を除く監査役たちはおとなしくお茶を飲むのが業務時間の主な過ごし方…

長閑の庭

いつも黒い服を着ていて、シュバルツさんと呼ばれている大学院生の女の子が主人公。ドイツ文学の教授に恋をするも、年齢の差もあり相手にされない。でも、少しずつ距離を縮めるシュバルツさんに段々と心を動かされ、徐々に接し方が変わっていく教授。最初は…

愛をこうひと

下田治美の小説『愛を乞う人』のコミカライズ版。 ただ理不尽に虐待される印象のあった小説版に比べると、母親が自分の置かれている状況に怒り落胆し、原因を子供においてしまったこと、という虐待に至る背景が描かれているように思う。原作の方が主人公の心…

かんかん橋をわたって

展開が予想外過ぎて一気に読んでしまった。しかし、世の中には伏線を回収できない漫画が大量にある中、本書にはほとんど伏線がないように見受けられ、驚く。だからこその自由な展開なのだろうか。 前半は、町一番のおこんじょう(土地の言葉で意地悪)を母に…

ヘルタースケルター

映画も良かったけれど、遅ればせながら読んだ原作は更に素晴らしい。個人的な感じ方だけど、映画を観てから原作を読むとどちらも好印象を受け、原作を読んでから映画を観てしまうとついケチをつけてしまう。不思議。でも、これは原作から入っても映画を楽し…

神主さんの日常

身近だけど、実は詳しく知らない神社とその中で奉職している人のこと。本書は、埼玉県の三峯神社の神主さんへの取材によって、お参りの仕方や神主(神職)の身分・職階や教育・研修などが紹介されている。ただ、一つ一つのネタに対して割いているページ数が…

マンガでわかる リアル中国人

近くて遠い国、中国。個人的には、中国人は日本人に見た目も似ているし、漢字を使って箸を使うなど共通点も多いのに、やっぱり考え方が違う、ということで、西洋人と分かり合えないときよりも残念な気持ちが強くなって、妙な距離を感じてしまうように思う。…

小さな恋のものがたり

いつの間にか完結していた小さな恋のものがたり。連載開始は1962年。作者が体調不良を経て、絵もうまく描けなかったと言いつつ完結させた最終巻。単純な絵に見えて難しい絵は、たしかに過去のものとは違うけれど、そんな粗が気にならない素敵な仕上がりだっ…

天才ファミリー・カンパニー

母子家庭の天才高校生が、母の再婚によって謎の多い能天気だけどサバイバル能力のやたら高い親子と出会い、いろいろとリズムを狂わせられながら成長して、すごいことを成し遂げてしまう物語。すっかり忘れていたけど、同じ作者による別の漫画を読んでいて思…

死者の書

完全な漫画化ではなく、ガイドブックのようなものを目指して描いたと作者は語るけれど、その試みは成功だと思う。世界観に圧倒され、原作を読みたいと思った。 女帝孝謙天皇時代の名家の女性である藤原南家の郎女が写経をするうちに不思議な力に誘われ大津皇…

ジャコモ・フォスカリ

テルマエ・ロマエが大ヒットしたヤマザキマリ氏による、退廃的な雰囲気の漫画。テルマエ・ロマエはエネルギーに溢れる男性が主人公だったけど、こちらは物静かで翳のある中年男性。戦後すぐの日本を舞台に、ファシズムに祖国でなじむことのできなかったイタ…

銀のアンカー

新卒就活についての漫画。天職とはいうけれど、社会人経験のない学生にとって、自分に向いた職業を探すことは難しい。特に、B to Bの世界は見えにくい。本書は、アメリカのカリスマヘッドハンターだった男性が日本に帰国するところから始まる。そして、本業…

深夜食堂

読むたびに、日本人で良かったと思うのは、この漫画。正直、こんなに長く続くとは思わなかったスタイルながら、飽きさせず淡々とした面白さを維持している。舞台は基本的に「深夜食堂」という名の(正式には名前はなくてみんながそう呼んでいるだけのようだ…

落語心中

ついに完結。 最初はお調子者の不良青年が更生していく話かと思っていたら、そうではなくて名落語家である八雲師匠の友情、愛情と後悔が主題の何とも切ない物語だった。才能に溢れる一方で何ともダメな助六と努力も積み重ねている菊比古(のちの八雲)、最初…

バトルスタディーズ

夏と言えば甲子園。ということで、PL学園野球部出身の漫画家による高校野球漫画に手を伸ばす。PL学園をモデルにしたDL学園という高校の野球部を舞台に、主役は1年生。 厳しい上下関係、下積み生活が今のところは続いているけれど、あまりネガティブには見え…

コンプレックス・エイジ

趣味にも賞味期限があるのか、ということを自分から考える機会はそれほどないけれど、時には「そろそろお金のかかる趣味は卒業を」とか、「いい歳なんだからそんな趣味は」と言われることはある。『コンプレックス・エイジ』はコスプレが趣味の26歳の女性の…

…すぎなレボリューション

お局OLが30歳を目前に、会社の飲み会で泥酔し同僚の誰かと関係を持ってしまうが、相手の記憶なしという始まりのストーリー4コマ。同じ出来事を複数の登場人物それぞれの目線から描いてみたり、構成も面白かった。 あることをきっかけに大変身、は少女漫画に…

おとりよせ王子

大人しいSEの青年がノー残業デーの水曜日は脱兎のごとくオフィスを後にし、宅配に間に合うよう帰宅して、お取り寄せの食事を満喫するのが基本の展開で、一話完結のスタイル。時々、飲み会や屋外のBBQのようなイベントも。少しずつ人間関係に変化も見えるけれ…

明治姉妹と大正遊女

どちらも不運に見舞われる女性が主人公の2作。 明治姉妹は貴族の家庭に育った姉妹が主人公。実はいずれも実子ではなく、姉は女郎の子、妹は何らかの事情で捨てられた子。父親の事業が傾き、父親の自殺後、姉は働き始め、妹は美貌を活かし愛人稼業に就く。大…

マネーの拳

三田紀房氏の漫画はどれも面白く、ドラゴン桜やエンゼルバンクほどには有名でないかもしれないけれど、こちらもビジネスの世界を面白く描いている。 マネーの拳は、主人公が元ボクサー。最初は分かりやすい話で飲食店を始めるけれど、飲食店というのは中々難…

インベスターZ

いつの間にか、結構な巻数まできていたインベスターZ。作者はエンゼルバンクやドラゴン桜でおなじみの三田紀房氏、ということで今回もしっかりした取材をされた地に足の着いた教育的な作品に。といっても、変な説教臭さはなく、ものすごく頭の良い中学生~高…