物語 財閥の歴史
日本においてビジネスについて語る上では避けられない「財閥」「系列」。本書では財閥の成り立ちから成長、解体、さらにその後の企業集団結成までを分かりやすく説明している。銀行を持つか持たないかの意思決定も含め、ビジネス拡大の流れはとても興味深い。
また、米国でも富豪は同時期に生まれたアメリカ人に集中している(ロックフェラー、カーネギーを筆頭に14人)こともあげ、激動の時期に脂の乗り切った天才たちが破格の活躍を見せるという点も非常に興味深かった。最近だとIT系の76世代のように、やはり能力と努力を開花させるタイミングをつかむ力が成功を大成功にするのだろう。
そして、財閥批判にまつわるさまざまな事件については、学校の歴史でもあまり触れられないし、ビジネスの話でも多く登場するものではないので、非常に新鮮だった。しかし、利益を追求するのが企業が利益を蓄積して批判され、さらには経営者の命が狙われるというのは恐ろしい話だ。