CoffeeAndBooks's 読書日記

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コンプレックス・エイジ

 趣味にも賞味期限があるのか、ということを自分から考える機会はそれほどないけれど、時には「そろそろお金のかかる趣味は卒業を」とか、「いい歳なんだからそんな趣味は」と言われることはある。『コンプレックス・エイジ』はコスプレが趣味の26歳の女性の話で、見た目も響く趣味だけに「いつまでできるか」「いつまで続けるか」の悩みが切実なのかなと見えた。とはいえ、実はほかの趣味でも同じような悩みはあると思う。

 主人公は見せ方も含めて色々と努力をして、写真を撮らせてくれと言われるくらいの完成度を達成している。ただ、高身長や年齢による悩みは出てきて(中傷もされるし)、自分以上にキャラクターイメージに合う別のコスプレイヤーの登場によって増幅されるといったところから、仲間同士や職場の人間関係でも悩んだり。でも、最初の命題への素敵な解を以って完結したように思う。同じことに同じだけ打ち込むことには限界があるかもしれないけれど、やめる必要はなくて、関わり続けることはできる、というのは嬉しくなるメッセージ。

 個人的に印象に残ったキャラクターは主人公の同僚(派遣先の社員)の葉山さん。趣味がちょっとしたきっかけで職場にばれて、退職してしまう。その後の立ち直るところまで書かれているので救われるけれど、彼女の傷ついている様子は切ない。

 

 連載前の読み切りと第一話は、ここから読める。読み切りの主人公が実は、というのも面白い。ゴスロリの佐和子とコスプレの渚の関係を見てから、「ゴスロリとコスプレは違う」というセリフを読むと不思議な感じがする。

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