CoffeeAndBooks's 読書日記

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深夜食堂

 読むたびに、日本人で良かったと思うのは、この漫画。正直、こんなに長く続くとは思わなかったスタイルながら、飽きさせず淡々とした面白さを維持している。舞台は基本的に「深夜食堂」という名の(正式には名前はなくてみんながそう呼んでいるだけのようだけど)、メニューは豚汁定食だけ、でも言えば何でも作ってくれる(材料がある限り)小料理屋。マスターは少しこわもて風だけど、リクエストがあれば本を見ながらビーフストロガノフを作ったりもしてくれるし、お子様ランチにも対応してくれる。そんな深夜食堂に集まる会社勤めからフリーランス、ヤクザ、ストリッパー、といった多種多様な人たちが持ち込んでくる日々の出来事が、会話や回想で描かれ、そこに何となく食事が絡んでくる。比較的、定番の料理が多いからネタは尽きないのかもしれない。

 最新の18巻では、ブリ大根が面白かった。そういえば、歌に絡む話は前にもあって、それも中年女性で恋多き女性が主人公。誰か作者の身近にそんな女性がいるんだろうか。主人公がある歌を歌い始めると新しい恋が始まったサインで周りが動揺する、ってちょっと面白そう。明るいスキャンダルのある会社は悪くない。そして、ビスマルク風。まさかのオチ。気難しそうな老随筆家が良い味を出している。

 

 最近はヤクザの竜ちゃんの出番が少ないような気がしてさみしいけれど、何でも沢山食べるイラストレーターのマユミちゃんや何かと不平不満ややっかみで誰にでも絡めるお茶漬けシスターズに比べると、タコさんウィンナーしか食べず無口な彼は使いにくいのかもしれない。いいやつなんだけど。

 

 ちなみに、出張帰りの飛行機で映画を前に見たけれど、なかなかいい感じに再現されていたように思う。ちょっと全体的にきれいになり過ぎな感じはしたけれど。

深夜食堂 17 (ビッグコミックススペシャル)

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映画 深夜食堂 特別版 [Blu-ray]

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