CoffeeAndBooks's 読書日記

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お友だちからお願いします

 出張が続くと、どうしてもエッセイを読む機会が増えてしまう。長編の漫画や小説を読み始めると、ついつい眠るべきタイミングを逃して着陸までずっと本を読み続けて体中が疲れ切った上に時差ボケ対応の調整もできず、という散々な状態で出張先に向かう羽目になってしまうので、一冊読んだら満足できるエッセイを複数持ち込むスタイルに移行したため。そんな中、ひそかにエッセイの名手と思っている三浦しをんの『お友だちからお願いします』を偶然発見。

 うん、本当に面白いけれど、機内持ち込みには不向き。つい声を上げて笑いそうになり、焦る。しかも、隣の席から何が面白いの?と聞かれたときにちょっと説明が難しいタイプの面白さ。特に外国人には。小説のほうは国籍関係なく面白さを伝えられる気はするのだけど、おばあちゃんの言語感覚(『おしなびさん』)とか、破壊の呪文(『有能だけどO脚』)、タクシー運転手との気弱合戦とか、福山雅治の歌の話とか、無理だろう。しかし、日本人というか、日本生活者には本当におすすめの面白い話だらけ。

 旅をテーマにしたエッセイの章は、別の趣で素敵だった。JRの構内で購入したところ、東北旅行の宣伝をするブックカバーをかけられたこともあって、国内旅行熱が高まってしまう。青森のキリストの墓にはぜひ行ってみたいと思った。旅先のやり取り、現地の人たちの雰囲気がよく伝わってくるので、旅の魅力にあふれている。きっと、この作者は人間が好きなんだろうなと思う。

 

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