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CoffeeAndBooks's 読書日記

日々の読書を記録しています

テロル

打ちのめされるようなすごい本、という言葉がすぐに浮かんだ一冊。打ちのめされました。

 

妻を自爆テロの加害者として失ったアラブ人医師の物語。彼はその理由を知るために妻の足跡を追う。

 

最初は妻が前触れもなく自爆テロ、というあらすじ紹介を読んで、強いられた自爆テロなのかと思った。たとえば、『アッラーの花嫁たち』にあるように、近い存在の男性が殺された女性たちが、自分の意思とは関係なく、時には騙されて自爆テロを強いられるように。 

アッラーの花嫁たち ―なぜ「彼女」たちは“生きた爆弾”になったのか?

アッラーの花嫁たち ―なぜ「彼女」たちは“生きた爆弾”になったのか?

 

 

けれど、そうではなく、妻は自分でテロリストになった。彼女がテロリストとなった理由は、とても悲しいけれどもありそうな話ではある。対立のある地域では、一方が攻撃をすれば被害者が復讐を行うことで今度は加害者になり、と悲劇が続く。それにしても、さらに再生産された悲劇による本書の結末はあまりにも切ない。

 

そして、最後まで主人公は妻が自爆テロを行うまでに思いつめた感情に納得はしていないのではないかと思うと読み終えて胸が苦しくなる。動機につながる出来事を追っても、本人がいなければ分かり合うことは二度とできない。

テロル (ハヤカワepiブック・プラネット)

テロル (ハヤカワepiブック・プラネット)

 

 

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