CoffeeAndBooks's 読書日記

日々の読書を記録しています

始皇帝 中華統一の思想 『キングダム』で解く中国大陸の謎

漫画だと個別の場面での心情の動きをじっくりと考えられる利点があるものの、歴史の中のどの部分なのか、中国全土の中でどの辺りなのか、といった全体像が見えにくくなる。そして、史実を基礎にした創作だと、気になるのが、どこまで史実と一致するのか。 そ…

醤油・味噌・酢はすごい-三大発酵調味料と日本人

私は海外に出ても、あまり食のホームシックを感じることがないのだけど、やっぱり時に和食か中華料理が食べられると少し嬉しくなる。醤油が恋しいのか、味噌(豆鼓のようなのも含めて)が恋しいのか、そのあたりは謎だけど、やっぱり染みついた味覚はあるの…

森瑤子の帽子

大きな派手な帽子と真っ赤な口紅、大きな肩パッド。バブル時代にスノッブを自認し、バブリーな生活が憧れをもって見られていたという森瑤子のトレードマーク。私は森瑤子の作品は数冊しか読んだことがなく、当時は年を取ることへの焦りを感じとる素地もなく…

政治と情念 権力・カネ・女

サブタイトル通り、権力・カネ・女のバランスが取れた田中角栄・真紀子論。当初は田中真紀子研究だったということだけれども、タイトルが示すとおり田中角栄研究が主。田中真紀子氏はエキセントリックな振舞いが目立つものの、政治家としては合理的な西洋派…

バイス/VICE

longride.jp まず、やっぱり政治家というのはファミリービジネスなんだな、という感想。ちょっとやんちゃなエール大学ドロップアウトの若者が、女性であるために政治家にも社長にもなれないと嘆きながら夫に夢を託そうとする妻の内助の功を受けて、政治の世…

封印された日本の秘境

手つかずの原生林や樹海も良いけれど、個人的に惹かれるのはやっぱり廃駅や遺構。最盛期は国内シェアの3割を占めたという別子銅山や炭鉱開発で今から100年前に高層ビルが建てられていた離島・軍艦島は、もののあはれというか、諸行無常というか、不思議…

ブラック・クランズマン/BlacKkKlansman

コロラド州でマイノリティ歓迎の看板を見て警察官になった主人公は、初めての黒人警察官として同僚からの差別を受けながらの書類庫係から、潜入捜査官に。そして、潜入捜査官として着手したのが、悪名高い白人至上主義者集団KKKへの潜入。さすがに人種差別主…

潔白

犯人とされた人物の死刑執行から15年後の再審請求。当然、それだけの理由があっての再審請求なので、過去の失敗を認めるわけにいかない検察は、策を弄して対抗する。 本書は犯人捜しの要素もあるけれども、犯人捜し以上に、冤罪によって死刑になってしまった…

女王陛下のお気に入り/the Favorite

www.foxmovies-jp.com 人の怖さを感じる、という感想も聞いていたけれど、私にとっては、人はいくつになっても成長できることを教えてくれる成長物語だった。 痛風に悩むアン女王は、それなりの年齢で、王位について以来の腹心サラに動かされているような状…

全196ヵ国おうちで作れる世界のレシピ

さすがに常備されている食材だけ、とはいかないけれど、近所にあるそれなりのスーパーがあれば手に入りそうな食材で楽しめる、テーブルの上の世界旅行。世界196か国の、ちょっと豪華な家庭料理という感じだろうか、大掛かりな道具はいらないけれど、メインに…

ダークツーリズム 悲しみの記憶を巡る旅

不勉強で、ダークツーリズムという言葉はつい最近まで知らなかった。戦争、災害、病気、差別、公害といった影の側面に焦点を当てた旅を、ダークツーリズムと呼ぶらしい。例えば、夜景と鮨が有名な小樽は、北のウォール街と呼ばれたり、鰊御殿と呼ばれる豪邸…

バンク・ジョブ/The Bank Job

実際の事件("Baker Street robbery")に基づくという映画。MI5の工作によって、素人の犯罪者たちが銀行強盗を計画。その裏の目的は王女のスキャンダル写真を回収すること。銀行の貸金庫からの強盗であれば、後ろ暗い資産も多く、被害者が公にしにくい、被害…

歴史をつくった洋菓子たちーキリスト教、シェイクスピアからナポレオンまで

紹介される洋菓子は、ガトー・デ・ロワ、クレープ、アップルパイ、エクレール、ヴォローヴァン、ザッハトルテ、マドレーヌ、ブリオシュ、パンプキン・パイ、サヴァラン、ビュッシュ・ド・ノエル、パン・デビス、タルト・タタン、ビスケット。フランスを代表…

きのう何食べた?

雑誌で読むと「そこそこ面白いけど印象には残らない」と思っていた。ところが、1巻からまとめて読んでみると、何度読み返しても違う味わいがあって、すっかりはまってしまった。 基本的には1話完結で、主人公のゲイカップルのちょっとした日常の出来事と食…

レベッカ

youtu.be シアタークリエ×涼風真世×山口祐一郎、貴婦人の訪問(貴婦人の訪問 - CoffeeAndBooks's 読書日記)を思い出す。チケットを取ったのは、もちろん涼風真世がダンヴァース夫人を演じる回。しかし、保坂知寿のダンヴァース夫人も見たかった・・・全く違…

ビジネスファッションルール 武器としての服装術

ファッションについては人から注意を受ける機会が少なく、特に女性の場合は自由度が高いと思っている人も多いので、余計に難しい。また、日本ではあまり職業に応じた服装という意識が不足しているところがあるかもしれない。たとえば、日本版は少し見ただけ…

大奥

奇病が元で男性の数が激減した江戸時代の日本を舞台とする、時代物のSF。Kindle Unlimitedで1巻~3巻が無料で読めるので、ついついダウンロードしたら続きが気になって一気に全巻購入・読破してしまった。 男性が激減したことで、江戸幕府は女性が将軍にな…

天智と天武

壬申の乱を題材にした小説や漫画は多いけれど、蘇我入鹿が意外な人物に結びついていく『天智と天武』は初めて触れる歴史解釈かもしれない。史実といっても限定的な情報、それも実際の出来事が起きた直後の権力者によって残される情報に過ぎないので、いろい…

幻の女

翻訳の例として挙げられることも多い書き出し”The night was young, and so was he. But the night was sweet, and he was sour.” (夜は若く、彼も若かった。が、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。)はよく覚えているし、結末に驚いた記憶はあるの…

接待の一流 おもてなしは技術です

デート編はさておき(バブル後の世代にはちょっとおなか一杯)、ホストとお店の関係を明確にしたうえで、もてなしの在り方を説く一冊。さすがにお店選びで「初めて来るんです」というような失敗は見たことがないけれど、ゲストにワインリストを渡す、は結構…

とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話

お正月休み、Kindle Unmilitedで読めたので興味本位でダウンロードしたところ、驚きの世界にページをめくるのが止まらず、そのまま読み終えてしまった。著者はウェブを経由して仕事が始まった新人漫画家ということで、おそらく若くて、社会経験もそれほど豊…

くるみ割り人形と秘密の王国/The Nutcracker and the Four Realms

クリスマス映画はやっぱりハッピーなもの。バレエでおなじみのくるみ割り人形の世界のその後、という感じだろうか。主人公の名前はクララ・シュタールバウム、弟はフリッツではあるけれど、くるみ割り人形そのままの世界を描くわけではない。どうやら主人公…

海街diary 9 行ってくる

海街diaryシリーズ、ついに完結。なんと12年にわたって連載されていたとは、私も歳をとるわけだ。もはや四姉妹の誰にも自分を重ねられないけれど、それでも誰もが感じる生きていくことの辛さだったり、ちょっとした瞬間に癒されたり、という瞬間に涙してし…

ピアフ

www.tohostage.com 遂に今日が千秋楽。インタビューで『命をかけることはしていないけれど、命を削ることはしている』と語っているけど(大竹しのぶのライフワーク舞台『ピアフ』開幕~「命を削る想いで」 | SPICE - エンタメ特化型情報メディア スパイス)…

チア☆ダン

それほど期待せずに観たビデオだけど、これは素晴らしい。やる気のない女子高生の部活が、世界の頂点を目指し始めて、個人も成長すればチームとしても成長するという青春物語。仲良しクラブでは世界に勝てない。でも、仲間とはやっぱり仲良く皆で頑張りたい…

だから、また行きたくなる。――伝説の外資系トップ営業が教える「選ばれるサービス」の本質

はじめて川田修さんの著書に触れたのは、「かばんはハンカチの上に置きなさい」というもので、タイトルになっている教えはお客さまのお宅にお邪魔した際の心遣いを説くものだった。地面に直置きするかばんを訪ねたお宅の部屋の床に置かず、一枚ハンカチを敷…

お友だちからお願いします

出張が続くと、どうしてもエッセイを読む機会が増えてしまう。長編の漫画や小説を読み始めると、ついつい眠るべきタイミングを逃して着陸までずっと本を読み続けて体中が疲れ切った上に時差ボケ対応の調整もできず、という散々な状態で出張先に向かう羽目に…

プライド

プライド 1 (クイーンズコミックスDIGITAL) 作者: 一条ゆかり 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2012/07/06 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る すっかりご隠居の一条ゆかり。ちょっと懐かしくなって読み始めたら手が止まらない。昔から大好きだ…

マリー・アントワネット

www.tohostage.com 花總まり、昆夏美、田代万里生の組み合わせ回を観劇。一番惹かれたのは吉原光夫(Wキャストではないため毎回登場)、というのは置いておいて、やっぱり花總まりさんのマリー・アントワネットはぴったりすぎて、引き込まれる。 このミュー…

ヴァレンヌ逃亡 マリー・アントワネット 運命の24時間

凡庸で愚鈍な王様と放蕩に明け暮れる王妃、というイメージが最初に刷り込まれていたルイ16世とマリー・アントワネットだったけれど、歴史の勉強をしていると、実はそうではないように思い始める。 新しい資料を基にしたという『ヴァレンヌ逃亡』から、どう…