CoffeeAndBooks's 読書日記

日々の読書を記録しています

2022-01-01から1年間の記事一覧

Kaymak/カイマック

www.hollywoodreporter.com 東京国際映画祭に出展されたマケドニア人監督による『カイマック』。ミルチョ・マンチェフスキといえば、『Before the rain』『Dust』しか観ていないのだけど、時間の交差する不思議な構成が魅力的だった印象と、旧ユーゴ出身とい…

ブエノスアイレス/春光乍洩

20数年経って再会した映画。4Kリマスターによって美しくなった画面、特にファイがボートに乗っているシーンの水面の美しさに感動。ウォンカーウァイ、クリストファー・ドイル、と言えば映像の美しさとスタイリッシュさ。全体的に薄汚れた感じの風景なのに美…

魂のまなざし/HELENE

フィンランドの国民的画家ヘレン・シャルフベック。彼女の人生のうち、忘れられた画家だったシャルフベックが再発見された時期を切り取り、母との関係、彼女の人生に重要な意味を持つ友人たちとの関係が描かれる。美しい挫折と復活の物語。 1862年生まれのシ…

映画を早送りで観る人たち

ニュース番組は私も1.5倍速などにしがちだけど、なぜかドラマや映画に対してはそれができないでいる。しかし、最近は倍速視聴だけでなく、会話のない場面はスキップしたり、事前に仕入れた盛り上がる箇所以外はスキップしたり、という見方があるらしい。 セ…

Maid

大学進学を目指す若いシングルマザー自身による実体験が綴られた一冊。 著者はシングルマザーとして子どもを育てながら大学に進学するため、家政婦を職業とする。カタカナ英語の感覚だとメイド=富裕層の家庭でサーブする女性を想像してしまうけれど、掃除だ…

アウシュヴィッツで君を想う

ユダヤ系オランダ人医師が残したアウシュヴィッツでの経験。あとがきによれば、これは回想ではなく「戦争が終結する前に」「収容所の中で」書かれた文章である。そのため、記録として詳細で、その場その場の会話や感情も含めて伝わるように思う。 作者は妻と…