CoffeeAndBooks's 読書日記

日々の読書を記録しています

2013-01-01から1年間の記事一覧

デザイナー

やっぱり傑作。来年で連載から40年。長く読まれ続ける作品はやっぱり違う。 トップモデルから交通事故で足を痛め、デザイナーとしての再起を図る主人公 亜美。この台詞にはしびれた。「私がなりたいのは常にトップよ。それ以外なら最低も同じだわ」 亜美の自…

錯覚の科学

原題は"The Invisible Gorilla"(見えないゴリラ)、こちらのビデオにある実験が元になっている。 あるタスクを与えられた被験者は、タスクをこなすことに注意しているため、ゴリラが登場したことに気がつかない。本書では、人の脳が陥りがちな錯覚の例がほ…

「Chikirinの日記」の育て方

著名人によるKDP(手作りな表紙がちょっとかわいい:Amazonの画像がなぜか表示されないのが残念)、読んでいて違和感は全くなく、電子書籍の出版は技術的にはそれほど面倒でもないのかなと思った。 それはさておき、内容もとても面白かった。個人の日記から…

バリスタ

ついに完結。 喫茶店を営む祖父に育てられ、出生にかかわりのあるイタリアで修行を積んだ主人公が日本に戻り、チェーン展開するバールで働きはじめる。その後、バリスタ大会や父との出会い、カフェとの決別、再始動、焙煎名人との出会いや大企業での経験など…

蜩ノ記

こんなに素晴らしい小説を、出版から2年も知らないまま過ごしていたことが悔やまれる。 主人公 檀野庄三郎は、不始末のため切腹となるところ、ある任務と引き替えになった。七年前に別な事件により「十年後の切腹」と「藩主の家譜編纂」を命じられた元郡奉行…

人に強くなる極意

メッセージはとてもシンプル、目次にあるとおり: 怒らない びびらない 飾らない 侮らない 断らない お金に振り回されない あきらめない 先送りしない それぞれ、具体的なエピソードと古今の叡智が紹介され、章ごとにお薦めの書籍も紹介される構成。 人に強…

透明人間の納屋

失踪事件の謎解きに必要な材料を出すと、最後の手紙の衝撃が軽減してしまうのはわかるけど、密室トリックについてはちょっと納得のいかない部分あり。まあ、占星術殺人事件 (講談社文庫)からそういったお約束の部分に沿ってはいない作者。それにしても今回の…

杜康潤のトコトコ三国志紀行/中国トツゲキ見聞録

最高に面白い中国旅行記。何度かに分けて行っている記録なので、中国の変化の早さとダイナミックさも見えます。 作者は三国志が好きすぎて、三国志の史跡や縁の地を訪ね歩くために中国留学・度々の中国旅行をしており、秘境とでも呼べそうな所にまで足を伸ば…

流れる

この季節になると、より一層いいですよね。 幸田文さんは断筆宣言をして置屋に住み込みで働き、その経験を元に『流れる』を書いたらしい。そのせいか、芸者の日常の描き方がとても細かくて愛情を感じる。 彼女の観察眼が素晴らしくて、「あんた色が白いねえ…

重版出来!

アマゾンのKindle化リクエストをしておくと、Kindle化された時に通知してもらえる、ということを知った。何て便利。 というわけで、本日Kindle版にて読ませていただく。 重版出来(じゅうはんしゅったい)とは、重版が出来上がりその書籍が販売されることを…

蝉しぐれ

下級武士の養子である主人公は、藩内の政争により父を失う。反逆者として切腹を命じられた父に対して、最後の面会で言えなかった言葉を後悔する場面は何とも胸をしめつける。「人間は後悔するように出来ている」という友人の言葉…この状況は『後悔』が取り返…

物語 英語の歴史

「はじめに 世界共通語」に考察されている通り、言語の重要性をランク付けるということは難しいけれど、英語がある程度の影響力を持った言語であることは確かだろう。本書は、ケルト人の移住から始まるブリテン諸島における英語がどのように形成され、国際的…

金持ちになる方法はあるけれど、金持ちになって君はどうするの?

日々の生活において、「厳しいこと言ってわるいんだけど、~~~(反対意見だったり、お説教コメントだったり)」とか、「ちょっと厳しい言い方するとね、~~~(同)」と言う前振りをする人の発言が本当に厳しいことは滅多にない。見当外れで上から目線で…

U-31

現在、A代表CAP数を更新中の遠藤保仁選手は2014年34歳。30歳だった南アフリカでも、かなり年長の方であり、恐らくブラジルに出場すれば最年長になりそうな予感。さすがに、観る側の感じ方として、U-31に登場するファンほど30代=終わりとは考えていないもの…

英文法の楽園

Q&A形式で、単語の使い分けや用法に悩む文法を解説。 非常にわかりやすい説明がされています。 また、教科書的に正しい文法かどうかだけでなく、随所でネイティブのインフォーマントからの情報提供を受けているということで、「現代の」「自然な」英語を紹介…

わたしを離さないで

カズオ・イシグロという名前をはじめて見たとき、スガシカオみたいなものかな、と思っていたのだけど、日本出身のイギリス人作家なんですね。その出自のおかげか、彼の作品に登場する日本(たとえば『浮世の画家』)は西洋的な視線で異国情緒を持って描かれ…

黒後家蜘蛛の会

アイザック・アシモフと言えば、”I, Robot"(『われはロボット』)に書かれたロボット3原則(人間への安全性、命令への服従、自己防衛)は小説を読んだことがなくても知っているくらいのSF作家。そして、『アシモフの雑学コレクション 』なる書籍が登場する…

桜の園

読む度に、違う味わいがある「桜の園」。 はじめて読んだ大学生の頃は、変わることのできないラネーフスカヤ夫人のどうしようもなさと新しい生活に向かって歩き出せるトロフィーモフやアーニャの前向きさが心に残った。 ラネーフスカヤ夫人は本当にどうしよ…

テロル

打ちのめされるようなすごい本、という言葉がすぐに浮かんだ一冊。打ちのめされました。 妻を自爆テロの加害者として失ったアラブ人医師の物語。彼はその理由を知るために妻の足跡を追う。 最初は妻が前触れもなく自爆テロ、というあらすじ紹介を読んで、強…

人間仮免中

精神疾患のつらさというのは想像することも難しいけれど、読んでいるだけで苦しくなる世界が描かれている。見てはいけないものを覗いてしまったような世界が何とも言えない絵柄で表現されている。 本当に苦しいのだろうと感じさせられる。 そして、支え続け…

実践 日本人の英語

「日本人の英語」、「続 日本人の英語」に続く日本人の英語シリーズ新着。 大学での授業や研究者の添削活動を通じてさらにサンプルを豊富にした、日本人の間違いやすい文法・語彙や洗練された英文を書くコツがわかりやすく紹介されています。 特に、そもそも…

私はコーヒーで世界を変えることにした

「XXのためなら何でもする!」という言葉を日常を耳にする機会は多いけれど、本当にここまで出来る人は滅多にいないはず!と思わせてくれます。「コーヒーのために出来ることはすべてやる」と決めた著者による、エルサルバドルでのコーヒー研究、南米から始…

働く女性が知っておくべきこと

なんと、同じシリーズの新書はすべてブルーなのにこの著者の本だけピンク色。 さすが、女性の品格。女子力のほどが気になり購入。 ただ、意外に普通の話、というか、地に足のついた内容だった。 そのため、グローバル人材に関する話や働き手・働き方のダイバ…

読書の技法

月平均300冊の読書量の佐藤優氏が推奨するテーマごとの読書方法は、 基本書を3冊(または5冊など奇数冊)*用意して、1冊は3度読み返し、一読で重要部分にマークしつつ読み、最後に特に重要な箇所をノートに書き写しながら読んでいくということで、一冊読むの…