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CoffeeAndBooks's 読書日記

日々の読書を記録しています

黒後家蜘蛛の会

読書 小説

アイザック・アシモフと言えば、”I, Robot"(『われはロボット』)に書かれたロボット3原則(人間への安全性、命令への服従、自己防衛)は小説を読んだことがなくても知っているくらいのSF作家。そして、『アシモフの雑学コレクション 』なる書籍が登場するほどの博識の持ち主でもあり、『黒後家蜘蛛の会Ⅰ』のまえがきにて、本人も自分自身のさまざまな肩書きを披露する多彩な活動をしている:SF作家、シェイクスピア学者、生化学者、歴史学者、などなど。

アシモフの雑学コレクション (新潮文庫)

アシモフの雑学コレクション (新潮文庫)

 

 

黒後家蜘蛛の会』は、科学者、数学者、弁護士、画家、作家、暗号専門家の6人が毎月の晩餐会を開きながら、持ち寄った不思議な話の推理を行うミステリ仕立ての短編集。晩餐会での推理合戦なので、会話が中心となりとても良いテンポで進んでいく

この作品の主役である給仕のヘンリーは、『会心の笑い』で強烈な過去とともに登場する。ただの給仕かと思いきや、過去の仕事上のパートナーから到底可能とは思えないものを手を汚すことなく盗んでいる。彼の底知れなさが印象に残る。

そして、以降は、ひっそりと給仕をしながらメンバーが手詰まりになったところで解決をしたり、<(会を行う)部屋で話されたことは外で繰り返してはいけない>という決まりごとにしたがって密かに推理を特定の会員(当事者)だけに伝えたり、と何とも良いところを見せてくれる。「わたしのように、給仕のことを考えたりする人間はめったにいるものではございません」(『死角』)と言いつつ、相当な存在感。

また、本筋とは別に、各話に作者が短いあとがきを付けていて、これも面白い。作品の瑕疵が指摘され修正されたことや作品の生まれたきっかけ、今後の著述活動など。このあとがきも、作品同様に作者のいろいろな顔を見せてくれる。

 

黒後家蜘蛛の会 1 (創元推理文庫 167-1)

黒後家蜘蛛の会 1 (創元推理文庫 167-1)

 

 

 

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