CoffeeAndBooks's 読書日記

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ゴールは偶然の産物ではない

 絶版になったと思っていたら廉価版が発売されていたので紹介。

 コンサルタント出身の著者が、サッカークラブFCバルセロナの副会長として取り組んだ改革と背景にある考えを説明する一冊。題材はサッカーだけど、内容は普遍的だと思う。「うちは特殊(な業界・組織・etc.)だから」と言って変われない組織、他から学べない組織は多くあり、全ての組織は「特殊である(と所属するメンバーが信じている)」という点で共通しているから。

 著者は、サッカークラブという「それは特殊な世界だろう」と多くの人が思う世界に飛び込んで、普遍的な論理・行動によって変革を手がけ、成功に導いた。「特殊だから仕方がない」と言い続けて変わることのできない組織を変えようとしている人には参考になるのではないだろうか。

 サッカーに全く興味のない読者にとっては、なじみにくい箇所もあるかもしれないけれど、市場分析でやっていることは一般的なことなので本題は分かりやすいはず。それぞれの方法論は目新しいものではないと思うので、サッカーに興味のない読者はざっくり斜め読みをして、こんな世界でも普遍的な方法論で成果が出て変革ができるのだ、という事実だけを受け取っても十分に意味のある一冊。(もちろん、サッカーに興味のある読者にとっては、バルサのブランドも感じられて面白い。ユニフォームの話とか、ソシオメンバーの話とか。)

 

ゴールは偶然の産物ではない FCバルセロナ流 世界最強マネジメント