CoffeeAndBooks's 読書日記

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女王陛下のお気に入り/the Favorite

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 人の怖さを感じる、という感想も聞いていたけれど、私にとっては、人はいくつになっても成長できることを教えてくれる成長物語だった。

 痛風に悩むアン女王は、それなりの年齢で、王位について以来の腹心サラに動かされているような状態。サラの従妹として宮廷に入ったアビゲールとの出会いから少し変わって、自我を取り戻していく。その後、お気に入りの地位はサラからアビゲールに移行するけれど、アビゲールを側近にしてもアビゲールに支配はされない。最後のアン女王の表情は素晴らしかった。映画はすごいなと思うのが、アン女王のサラに支配されているときの顔と、女王として目覚めてからの顔が全然違う。

 そして、側近の座から離れてからも女王を案じるサラと、アビゲールの権力を手に入れた後の堕落ぶりは、サラの野心が自身の生活のような小さなところにはなく、その政策的な正しさは別にして国を正しい方向に持って行こうという矜持にある一方、アビゲールは成り上りたい、のし上がりたいしかない人物、という違いを感じされる。日本人といえば判官贔屓なのか、ついつい、サラに肩入れしてしまうけれど、この二人の勝負はアビゲールが制する。しかし、このアビゲールの処世術は豊臣秀吉も真っ青でなかなか面白い。

映画『女王陛下のお気に入り』 (オリジナル・サウンドトラック)

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