CoffeeAndBooks's 読書日記

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住友銀行秘史

 元住友銀行取締役まで上り詰め、その後楽天の副会長を女性関係の問題で退任というなんだかすごい経歴の著者(ゴーストが入っているとどこかのインタビューで言われていたけど)が、戦後最大の経済事件といわれる「イトマン事件」に関する行内のいざこざや政治に関するあれこれを当時のメモとともに振り返るというもの。といっても、大事件の裏に潜んでいた怪文書事件の真相告白に過ぎないという印象。本気で裏側を暴いたら実名では書けないだろうし。

 ただ、銀行という組織についていろいろと面白い読み物ではあるかもしれない。のっけから主な登場人物の出身大学と入行年を紹介するところから始まり、さすが銀行。実際、都市銀行の方は名前を出すと「ああ、何年入行の方で~~」と返されることがあるからびっくりする。さらに、男性同士の嫉妬の入った人物評も。

 しかし、著者の自己陶酔が激しい独白から、優秀なバンカーの使命感による行動、という印象を持たせようとしているけれど、ぜひとも主な登場人物の皆さんに覆面座談会で感想を教えてもらいたいもの。 

住友銀行秘史

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住友銀行暗黒史

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