CoffeeAndBooks's 読書日記

日々の読書を記録しています

Home coming/ホームカミング

 Amazon prime videoのオリジナルコンテンツ。製薬メーカーにバックアップされているらしい、帰還兵のリハビリ施設が舞台。主人公であるカウンセラー ハイディの数年後と、施設での出来事を行き来する構成だが、物理的な舞台はハイディがカウンセラーとして働くリハビリ施設、数年後にウェイトレスとして勤務するダイナー、そして彼女の実家が中心のミニマムなつくり。また、物語の進行は静か。

 このリハビリ施設は、新薬を実験する施設を兼ねており、その狙いは・・・というスリラー。まあ、それほど予想外な展開があるわけではないけれど、いろいろと考えさせられる話でもある。ベトナム戦争で兵士のトラウマ、PTSDが注目され始め、治療の必要性が認識されたといわれる。そして、以降も常に戦争を続ける軍事大国アメリカでは、イラクアフガニスタンからの帰還兵の自殺や精神不調が今も社会問題である。ただ、ベトナム戦争のころは、いつか戦争が終わる(アメリカの勝利で)、という前提があったのではないかと思う。一方で、今の戦争は終わりがない可能性を前提としているのではないか、とも。だから、兵士を使い捨てにしても戦争が終わって不要になる時代と違って、帰還兵は治療して終わりではない。そこで、このドラマで描かれる新薬実験に「ありそうな話」という感じが生まれるのかもしれない。もちろんフィクションではあるけれど、実際の出来事に触れるドラマである以上、荒唐無稽な話にはなりにくく、現実と地続きで「ありそうな話」である分、入り込みやすいし、アメリカの抱える課題について、より考える機会にもなる。

 シーズン2の配信も始まったようで、そちらも楽しみ。

規則

規則

  • メディア: Prime Video
 

 

パイナップル

パイナップル

  • メディア: Prime Video