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CoffeeAndBooks's 読書日記

日々の読書を記録しています

徹夜しないで人の2倍仕事をする技術

 世の中が残業規制、労働時間短縮に向かう以上、同じ成果を出そうと思ったら生産性の向上は必須。とはいえ、ホワイトカラーは『思考時間の必要性』を言い訳に生産性の議論を避けようとする人も多い。でも、そこで思考停止せずに分業やパターン化による効率化は必要だし、考えるにしても結果の成功率を上げていかなくてはいけない。なんといっても、想像的な仕事で効率化の概念が当てはまらないと思われがちな漫画家が、それもヒットを何作も世に送った漫画家も生産性を高めることで効率的に成果を出しているのだから、一般的なビジネスパーソンだって同様に試せることはあるはず。

 読んでいて思ったのは、職場で改善の必要なメンバーが延々と考え込んで袋小路にはまり挙句締め切りを過ぎてからできませんでした、となってしまうことがある一方で、効率的に物事を進め成果が出せるメンバーは既存のパターンをうまく使って新しいものを考えているな、ということ。本書でも「企画は考えて出すものではない」「ベタを貫け」と書いてあるけれど、ずっと考えていれば企画が降ってくるなんてことはめったになくて、やっぱりベタなものが一番。そこに新しい視点を持ち込むと、価値が生まれる。考えることに価値があると思ってしまう人には、是非とも一度読んでほしい一冊。

 

成功の五角形で勝利をつかめ!

成功の五角形で勝利をつかめ!

 
個性を捨てろ! 型にはまれ! (だいわ文庫)

個性を捨てろ! 型にはまれ! (だいわ文庫)

 

 

楽しく学べる「知財」入門

 大手メーカーにて特許に関わり続けてきた弁理士による、意外な特許に関する話や特許に関するトラブル・係争などの紹介。長年、稲森謙太郎の筆名で科学技術ジャーナリストをされてきたということで、文章は読みやすく、面白いけれど取っ付きにくい知財について勉強になった。

 時には関係者への書面質問なども交えて調査がされていて、信頼感があるのに加え、やはりあの芸能事務所は対応が厳しそう、とか、最もはじけたファーストレディとタイム誌が評したという鳩山幸氏の対応は意外に素敵、といった面白さがあった。

 そして、やっぱり面白かったのはパロディ商標。ものによって認められたり、認められなかったり。そして、一度は権利が認められた商標に対して、取消決定→取消決定の取消訴訟・取消決定の取消判決→取消決定→取消決定の取消訴訟・取消決定の取消判決→維持決定→他社からの請求による無効審判という紆余曲折(本書では時系列の図示がされているので流れが分かりやすい)。類似性と依拠性というのは、言葉では分かるけれど主観の余地があるように感じられるものなので、議論が割れるのだろうし、時代とともに変わる部分もあるのだろう。

楽しく学べる「知財」入門 (講談社現代新書)

楽しく学べる「知財」入門 (講談社現代新書)

 

  

知られざる特殊特許の世界

知られざる特殊特許の世界

 

  

女子大生マイの特許ファイル

女子大生マイの特許ファイル

 

 

ヘルタースケルター

 映画も良かったけれど、遅ればせながら読んだ原作は更に素晴らしい。個人的な感じ方だけど、映画を観てから原作を読むとどちらも好印象を受け、原作を読んでから映画を観てしまうとついケチをつけてしまう。不思議。でも、これは原作から入っても映画を楽しめたかも。沢尻エリカが主人公を演じたのは原作のイメージ通りだったし。人形のように美しいという言葉を誰も否定できない。社長役は加賀まりこのほうがビジュアル的に合うと中村うさぎが書いていたけど、業の深さみたいなのは桃井かおりの方が表現できると思うし。

 ちなみに、あらすじとしては、ほぼ全身整形の美人モデルである主人公は、怪しげな手法で美貌を手に入れており、メンテナンスが常に求められ、しかも段々と副作用はひどくなるというもの。そして、その整形を行った医者が不適切なビジネス(胎児の売買や危険な手術など)をやっているということで、捜査対象になり、やがて社会問題に。最後のシーンまであらすじが知られているけれど、何ともすごい。ドラッグにはまるように美容に取りつかれる主人公には、全然違う世界だけど福本伸行が描くギャンブル漫画でギャンブルにはまる人たちのような凄みを感じる。自分にはその要素が全くなくて共感もしないけれど、圧倒されてしまう。

 最期のシーンまでの軌跡も気になるし、TO BE CONTINUEDの言葉が本当にその通りなのか気になって仕方がないけれど、作者の交通事故以来新しい情報はない様子。

ヘルタースケルター (Feelコミックス)

ヘルタースケルター (Feelコミックス)

 
ヘルタースケルター スペシャル・プライス [DVD]

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神主さんの日常

 身近だけど、実は詳しく知らない神社とその中で奉職している人のこと。本書は、埼玉県の三峯神社の神主さんへの取材によって、お参りの仕方や神主(神職)の身分・職階や教育・研修などが紹介されている。ただ、一つ一つのネタに対して割いているページ数がコンパクトなため、少し表面的な紹介になってしまうのは少し残念化もしれない。神事について詳しく知りたいという人には少し物足りないかもしれないけれど、神社の危機管理研修など意外なテーマに触れられるという意味ではとても面白い。 

神主さんの日常 1 (EDEN)

神主さんの日常 1 (EDEN)

 
神主さんの日常 2 (EDEN)

神主さんの日常 2 (EDEN)

 

 お寺の方は坊主DAYSが最高。

 こちらはお寺に生まれ育った作者によるもの、ということで、内容も詳しく、お寺や仏教について聞かれては答えということを繰り返された背景があるのか興味深い話が多い。そして、お坊さんだけでなくその家族のことやクリスマスとの折り合いなどちょっとした日常のことが面白かった。

坊主DAYS(1) (ウィングス・コミックス・デラックス)

坊主DAYS(1) (ウィングス・コミックス・デラックス)

 

 

恋人たちの冒険

 子供のころに読んで印象に残っていた『鳥にさらわれた娘』と『あるジャム屋の話』。何となくもう一度読みたくなってキーワード検索したらあっさりと見つかり、読むことができて嬉しかった。一緒に収録されているほかの物語もとても素敵だった。

 この『恋人たちの冒険』に収録されている物語は、男女ともに、いずれかが人間。その主人公が動物(シギだったり、鹿だったり)と恋をする物語。

 読み返してみると、『あるジャム屋の話』は昔読んだときと同じような読後感だったけど、大人になって読むと『鳥にさらわれた娘』は少し違っていて、それも面白かった。『鳥にさらわれた娘』の主人公はちょっと勝手な感じがするけれど、若い頃に恋愛にコミットすることに怖気付く感覚が今だと少しわかるような気もして、シギはかわいそうだけど最終的には良かったのかなと。『あるジャム屋の話』の方は、鹿の女の子と築く空気が心に残る。疲れているときに読むと余計にそうかも。 

恋人たちの冒険 (安房直子コレクション)
 

  

安房直子コレクション 全7巻セット

安房直子コレクション 全7巻セット

 

 

やさしいダンテ<神曲>

 欧州的な思考を理解するには必要な知識、教養とは言われるものの、いきなり手を付けると前提として要求される知識、教養も生半可でない超大作である『神曲』。少し仕事に余裕ができてきたので少しずつ読もうかなと思うけれど、難解な部分も多いので、まずは予習のために読んだ一冊。やっぱり、登場人物を紹介してもらえるのは大きいです。その人が歴史上どんな人物で、ダンテとどんな関係の人物なのか。平易な文章で日本人には少し馴染みのない冬至の社会的背景も知識を得られるので、予習としてはとても有用。

 キリスト教世界の地獄のイメージは『神曲』だと言われるけれど、こうして見ると地獄や天国のイメージというのは宗教を問わないところも多いなという印象。でも、生まれ変わって修行という概念がないから煉獄で浄化されるという感じなのか。この辺りは解説書だけでなく本編を読んで理解を深めたいところ。

神曲 ─まんがで読破─

神曲 ─まんがで読破─

 
神曲(全)

神曲(全)

 

 

壊れたおねえさんは、好きですか

 当初はメンタルを病んだ女性が魅力的に見える、のような話かと思っていたら、似たような話も登場するもののほんの一部。どちらかというと、美人でない女性から発せられるフェロモンに関することが中心。

 市原悦子には劣情をもよおしても泉ピン子にはない、というのがちょっと面白かった。分析内容には完全同委ではないけれど、分かるような気はする。『「魔性の女」に美女はいない』(「魔性の女」に美女はいない - CoffeeAndBooks's 読書日記)に通ずるものを感じる。

 それから、肌色の下着がのぞくのがセクシーかどうか、あとがきで本人は振り返るとサンプルが少なかったことから否定的になっていたけれど、面白い視点だと思う。実際に該当するような人を見たことがないからわからないけど、だらしない女性って少し性的に見える、というのはあるように思う。

 

  

Kindle Paperwhite Wi-Fi、ブラック

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