CoffeeAndBooks's 読書日記

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Mon Roi

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 主人公がエキセントリックで完全に感情移入はできないものの、場面場面で共感して切ない気持ちになる映画。

 『ベティ・ブルー』を引き合いに出して紹介されるだけあって、情熱的で、不安定な愛の物語。弁護士のトニとレストランを経営するジョルジオはクラブで出会い、惹かれあい、子供を持ち結婚するも、うまく行かない。理屈で考えると、一緒にいても不幸になるタイプの男性であるジョルジオ。精神を病んだ元恋人の世話を焼きつつ、ストレスで不安定になった身重の妻に別居婚を申し出たり、借金のかたに妻の元々の財産だった家具まで差し押さえられる夫なんて、一緒にいても幸せになれる気がしない。色々と理由を付けて関係の修復を試みるトニーも、やがて別れを何度か切り出す。でも、今度はジョルジオが離れない。

 落ち着いた生活を持つこと、妻や子に責任を持つことの重圧から薬や酒、遊び仲間に耽溺する気持ちは分からなくもないけれど、身勝手なジョルジオ。しかし、とても魅力的であるのも事実、と見えるようにヴァンサン・カッセルの演技と佇まいは抜群の説得力を持つ。そして、時に興奮をぶつけ叫んだり泣いたりするトニーの終盤の表情は、何とも言えない人の複雑な気持ちを感じさせる。理屈を超えて人に抱く感情の正体は分からないけれど、そんな気持ちが伝わってくるようで素晴らしかった。

 

 

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