CoffeeAndBooks's 読書日記

日々の読書を記録しています

2016-01-01から1年間の記事一覧

疾風の勇人

モーニング連載中の「疾風の勇人」、ついにコミックが発売になるということで。 戦後の復興もままならない時代から始まり、後の総理大臣である池田勇人を中心に、新しい日本を作る政治家たちを描く。GHQ=Go Home Quicklyだと説く吉田茂の元に集められる後の…

オーダーメイド

路地裏のアダルトショップの奥に500万円のビデオ。これは、買い手の思う人物を出演させられるというもの。ただし、本当は何らかの背景を持つ男女が全身整形をして買い手の思う人物を演じていて、音声の加工等もされているというもの。それでも、作り込みによ…

食の軍師

孤独のグルメはすっかり有名になったけれど、個人的には食の軍師のバカバカしさが何とも気に入っている。一人で食事をする中年の男性が、おいしい食事をするだけでなく通っぽさや粋さを演出できているかまで気にした注文や食べ方を追求する漫画だ。また、5巻…

下流の宴

主人公の由美子の下世話な選民意識が素晴らしく描かれているけれど、これは成功した一方でコンプレックスから開放されていないことを各種エッセイでも明らかにしている作者ならではだろうか。 人との比較をして上流・下流というのも何とも嫌な感じだし、得ら…

アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち/The Eichmann Show

1940年代後半に行なわれた極東軍事裁判から15年ほど後に行なわれたアドルフ・アイヒマンの裁判を世界に放映したチームを描いた映画。去年から引き続き第二次世界大戦を描く映画が多いけれど、「顔のないヒトラーたち」をはじめ、戦犯の異常性や残虐性を描く…

追憶の森/THE SEA OF TREES

アメリカにも静かな佳作はたくさんあるけれど、この映画はやっぱり渡辺謙が語るように、アメリカ人もこんな映画を撮るんだ、という驚きを得た。 日本の自殺の名所(映画に倣い"the perfect place to die"と検索したら本当に青木が原が出てきて驚く)を舞台に…

「魔性の女」に美女はいない

タイトルの一文は、林真理子も何かのエッセイで語っていたように思うけれど、世の「魔性の女」というのは、言葉から連想する美女ではないらしい。魔性の女に人生を狂わされる男性後を絶たないのは、美人でない方が警戒心を解きやすいせいもあるのだろうか。…

キャロル/CAROL

「ブルージャスミン」以来、少し雰囲気の怖いケイトブランシェット。本作でも美しいけれど、翳があるというより裏のある人みたいな雰囲気を醸し出している。しかし、サスペンスではなくて、恋愛を描いたドラマである。ケイトブランシェットが演じるキャロル…

あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか―――論理思考のシンプルな本質

作者の文中に書いているとおり、作者は灘から東大の「頭の良い人」である。しかし、そんな頭の良い人でも敵わないと思う「考える力のある人」が世の中には沢山いる。その「考える力」を身につけるためのヒントを多く共有してくれる何とも親切な一冊。 では、…

外資系で生き残る処世術

これを読めば生き残れるかどうかはさておき、外資系に何となく幻想を持つ人には一読をお勧めしたい一冊。 ドライな人間関係を夢見て外資系企業に就職する人は、苦労することが多い。外資系企業でも採用基準・昇進推薦基準には「チームワークができるかどうか…

Real Clothes

「プラダを着た悪魔」に似ているという意見も聞かれるように、おしゃれではないけれど仕事のできる主人公が、おしゃれで超優秀な上司の下で開花する物語。大きな違いは職場がファッション誌の編集部からデパートになったことと、女王様上司の補佐役がゲイか…

顔のないヒトラーたち/Labyrinth of Lies

日本も戦後70年を機に戦争を振り返る書籍やドキュメンタリーが多かったように思うけれど、ヨーロッパにおいても去年の公開作品には戦争を振り返る作品が多かった印象を受ける。 この映画では、ジャーナリストからの情報を得た若い検察官が戦争犯罪者を追及す…

サウルの息子/Saul Fia

二度と見たくない映画であるけれど、見るべき映画であることは明白だと思った一本。 アウシュビッツにおけるゾンダーコマンドと呼ばれる特殊な存在(とはいえ連れてこられた時点で誰もが特殊だが)であるユダヤ人が主人公サウルが事実かどうかは別として息子…

楽園のカンヴァス

絵を描くことに関する物語かと予想して手に取り読み進めたところ、「絵」そのものに関するミステリーだった。史実に基づくということだけれども、どこまで本当なのか美術に関する知識のない私には分からない。しかし、それでも十分に楽しめる分かりやすさを…

冬姫

過去に衝撃を受けた蜩の記とは趣が異なり、戦国の女性を描いた一作。「女いくさ」という言葉を使って、内助の功と女性同士の勢力争いをきれいに表したような。ただ、主人公の強さが少し分かりにくい。純粋な心を持って余計な野心を持たないことは美しいかも…

シリコンバレー式 自分を変える最強の食事

次から次へと健康法が出てくるけれど、いろいろと試して自分の体について考えることはとても楽しい。 シリコンバレー式は、朝は油とカフェインからスタートする(バターコーヒー)。そして、やたらとココナッツオイルを使うもの。運動も高負荷を低頻度、とな…

女子学生はなぜ就活で騙されるのか

タイトルのまま、女子学生の就職活動に関する親・学生の思い込みと失敗を集めた一冊。この書籍では女子学生が対象になっているけれど、男女に共通するところも多いと思った。 やってはいけない3つのこと:親子で就職活動 たとえば、日経就職ナビの上記の記…

天使が消えた街/the Face of An Angel

イタリアでの英国人留学生殺人事件を元にしたという映画。これも少し時間が経っているけれど。 殺人事件に関する取材が白熱する中に映画監督が参入。ただ、真犯人探しではなく、被害者に焦点をあてた取材を試みる。ということで、この作品でも真犯人が誰かと…

江河の如く 孫子物語

毎作品、人物への愛情が深く感じられる作者による孫子伝。 ふんわりとした画風ながら、中国の土地のもつ空気というか雰囲気が漫画にも現れていて、リアリティをつい感じてしまう不思議なスタイル。内容としては、肝となる思想の部分に触れつつも孫子の兵法が…